こんにちは、スプリングシャトルです。今回は新内科専門医試験の結果報告です。
おしながき
新内科専門医試験
新内科専門医試験とは?

新内科専門医試験について説明します。
我々医師は、初期研修の2年間の間で専門科を選択し、後期研修の3年間で修練を積み、その後で選択した科の専門医の取得を目指します。例えば脳神経内科ですと、神経内科専門医を取得し、その上で脳卒中専門医や頭痛専門医などをどんどん取得する、といった感じですね。
ここで、内科の場合、専門科の専門医の資格を取得するためには、内科認定医資格を取る必要があります。そのためには新内科専門医試験を受ける必要があります。
新内科専門医試験の合格率は2021年は95%程度、2022年は90%程度、2023年は85%程度と、医師国家試験と同じくらい~やや厳しいくらいに設定されています。とはいえ、大部分が受かります。
この試験は簡単なのか?

では、この試験は簡単なのでしょうか?そんなことはございません。この試験を受けるためには、数多い障壁があります。
当然のことながら、大学受験でどこかの医学部医学科に合格し、退学・放校を避けた上で(私立大学医学部では結構多いようです)医師国家試験に合格し、その上で初期研修を無事終わらせる必要があります。
話はそれで終わりません。後期研修を指導医に評価して頂きつつ、160症例を登録し、29症例の病歴要約を提出し、指導医チェック、病院統括者チェック、外部評価者チェックを通過しないと、そもそも新内科専門医試験は受けられないのです。
こうした数々の障壁を潜り抜けてきた猛者の中から、10%程度不合格となる試験、と考えたら、かなり難しい試験であることは御理解頂けましたでしょうか。
新内科専門医試験までの勉強
東大理3受験を優先していた時期

内科専門医試験の勉強を始めるのは半年前からが良いと言われていますが・・・私の場合は、東大理3受験があったため、半年前といえば、秋の東大模試を受験したり、東大の過去問を解きまくっていました笑。おまけに、時間外勤務が月100時間以上・・・。内科専門医試験の勉強をする暇はございませんでした。
では、いつから始めたと思いますか?2024年3月半ばから、問題集を少しずつ解き始めたのです。ただ、4月半ばまでは東大理3に向けた準備を優先していました。
バーチャル模試がターニングポイント

本気で準備し始めたのは、結局5月になってからでした。問題集が1周終わり、映像授業をようやく見始めたのです。まあ、言うまでもなく、出遅れですよね。そして5月17日頃に、映像授業の中に付属されているバーチャル模試を解いたのですが、正答率は53%程度でした。

内科専門医試験のボーダーは60%程度と言われているので、この正答率では間違いなく落ちます。更に恐ろしいことに、このバーチャル模試は本番よりも簡単という噂をあちこちで耳にするような模試だったのです。本番より簡単な模試で、ボーダーから1割程度下…。下手したら下位1%に入っているようなレベルではないでしょうか。
何と、ドラゴンシャトル2即終了の危機だったのです!!(内科専門医試験合格がドラゴンシャトル2達成の要件であるため)
ここからは、問題集や映像授業の内容をwordノートにまとめて、いつでも見返せるような形にし、業務間の休み時間や仕事終わりに何度も復習しました。新しい教材に手を出しても消化不良になるだけだと考え、復習に全ベットしたのです。
新専門医試験本番

そして迎えた本番。今年は5月26日に実施されました。意外と緊張せず解くことが出来ました。それまでの数々の試験から、試験に合格するためには”復習”が一番重要だということを体感してきたため、今回その”復習”をある程度しっかり行うことが出来たということが自信につながったのです。
2時間程度3ブロック合計250問の、マークシート形式の試験でした。最初のブロックはほとんどの問題が1つ選べ形式でした。そして次のブロックは最初の20問くらいが2つ選べ形式で、それ以外は1つ選べ形式でした。そして最後のブロックは大多数が1つ選べ形式で、最後の数問が2つ選べ形式でした。時間的には意外と余裕がありました。
手応え、自己採点
手応えとしてはまずまずでしたが、こういう知識系統の試験って、解いた後の手ごたえはまずまずであっても自己採点するとかなり悲惨ということが往々にして起こります。そのため、試験が終わってから徐々に不安が出て来ました。
試験後には問題が回収されてしまうので、正確な自己採点は難しいのですが、X(旧Twitter)で受験生が問題を想起して議論するLineグループの宣伝があり、そこに登録してそのグループ内での発言を基に、自己採点をある程度することが出来ました。

自己採点をした結果は上記の通りでした。一応、ボーダーは6割と言われていることを考えると、合計得点的には余裕ある感じでした。ただ、内科専門医試験のregulationとして、合計得点以外に足切りというものがございます。平均点から大きく乖離してしまうと、不合格になってしまうというものです。血液内科・腎臓内科にボーダー割れのリスクが一定数あり、ある程度不安が残ってしまう結果でした。
合格発表までの焦らしプレイ

合格発表は7月末頃と公式ホームページに予告されていました。ただ、昨年は6月に入ってからの試験であったにもかかわらず7月最終週に入る前に合格発表があったため、今年は5月に実施されたことを考慮すると、7月26日金曜日に合格発表がある可能性が高い可能性が高いと私を含めて多くのX民の方が予想していました。ですので、7月26日の午前9時頃にHPの更新を連打していました。ところが、発表されず・・・。その日は悶々とし、日中当番業務もあまり集中出来ませんでした。
そして週明け月曜日。さすがにそろそろ発表があるだろうと思って同様に更新連打したのですが・・・やはり発表なし。このあたりの焦らしプレイはきつかったですね。
合格発表

そして火曜日(7月30日)・・・この感じだと翌日発表かなあと思っていたら・・・何と、9時の更新で結果発表されていました。慌てて確認すると・・・合格の2文字が!!!
病棟詰所で見ていたのですが、ついガッツポーズをしてしまいました笑。幸い、誰にもみられていなかったようです(爆笑)。
こうして、無事、ドラゴンシャトル2の即終了を回避することが出来ました。あとは東大理3かあ。。
得点開示

点数は自己採点よりも少し良かったです。恐らく、正答率が低い問題が削除されるような得点調整があったのだと思います。とは言え、平均点よりやや低かったこと、そして血液内科は足切りギリギリレベルだと思われる点数だったことは反省点でした。
Take Home Message

こうして新内科専門医試験に無事合格したのです。もちろん、私の勉強の方法が正しかった!!と言うような勉強の経過でも点数でもありません。何かが少し違えば簡単に不合格になっていたと思います。そして、病歴要約などを根気よくチェックして下さった指導医を含めた数々の先生方のおかげ、そして試験1週間前くらいの絶望的な状況をさりげなく察して下さり、当番を減らして下さった先生のおかげ、そして、私を応援して下さった周りの方々、フォロワー様のおかげという要因が極めて大きかったです。本当にありがとうございました。
そうした周りのおかげという要因は極めて大きいのですが、それでも受験ブログと言う観点より1つ皆様にお伝えしたいことがあります。試験に合格するためには、新しい問題をどんどん解くというのも大事ではあるのですが、それ以上に復習をしっかりするということが非常に大事です。そして、みんなが解ける問題を外さないこと。これは、全ての試験に共通することだと思います。皆様が何かしらの試験を受ける際には、復習を重視して、しっかり栄光を勝ち取って下さい!!
内科専門医。現在、ドラゴンシャトル2(内科専門医試験を手堅く合格しながら、東大入試284点(96点差落ち)から1年で東大理Ⅲのボーダー超えを狙う企画)を開催中!フォローすると良いことあるかも!?



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